ハリー・ポッター

先週は完全に姉貴の家で居候をしていた。別に毎日用事があったわけではなく、しかも何もない日はとことん暇で本当に何もすることがないのでハリー・ポッターを読破した。「炎のゴブレット」の下巻だけがなぜかなかったので未読だが、他は「謎のプリンス」まで全部読んだ。

今まで全く興味がなかったのだが、ほんの気まぐれから読み始めたら案外面白く、そのままズブズブとはまっていってしまったのだ。映画の方はほんの少ししか見ていないのだけど、原作の小説の方がずっと面白い。演劇なんかを見ていると、メインで会話している人物の周りの登場人物は何もしていないのではなくて、頷いたり笑ったりして「場」を作っている。ところが、小説になると会話している場面では人物の周囲は一旦忘れておいて、会話だけを描き、会話の後で周囲が存在していたことを思い出す。しかし、この物語では会話の合間に会話をしている人物には直接的な影響を与えない「場」を描いている。例えば「〜が転んだ」とか「向こうのテーブルでは〜と〜が宿題をしている」などである。しかもその描写がとてもユーモラスだ。それが絶妙な間になっていて、物語自体のテンポが良い。まあ、僕が読んだのは邦訳なので、是非その内原作を読んでみたいものだ。

「不死鳥の騎士団」の上巻を明け方までかかって読み終え、その日の昼前に起きてきて下巻を読んでいる内に一番下の小学生の甥が学校から帰ってきた。曰く
「また?ま〜た本読んでるの?」
まったく、にくたらしいことだ(笑)。あのね、前に読んでいた本と今読んでいる本は違う本なんだよ。本を読んでいるという外見は同じでも、考えている事や吸収していることは違うし、使っている脳の部位も違うかもしれないんだから、厳密には僕は違うことをしているんだよ。と言ってあげればよかった。