めちゃモテ人生の残味

日付変わって25歳になった。人生25年、モテるという経験をしたことがほとんどなかった僕だけど、一度だけめちゃモテ気分を味わったことがある。確か学部3、4年の頃だった。

「alpha24 = ギター + 物理」という公式を友人に作られてしまうくらい、勉強と部活に心血注いでいた時期にあった僕だけど、ある日なぜか女子校出身の女の子や女子大の子には結構好かれやすいという事実が判明した。中高時代に同じ学校にいた女の子たちとは違い、可愛く、頭が良く、性格も良い女の子たちだ。「あー、やっぱこういう女の子は見る目があるんだなあ」って思って、「これからが僕のめちゃモテ人生の始まりだ」なんて考えてちょっと喜んでいた。

でも何かちょっと違う。どうも彼女らは僕を男友達や彼氏候補とみなしていない。むしろ女友達の感覚に近い。そこへnr53が僕に言った。
「alpha24は女性的な部分があってやや中性だから。女子校育ちの彼女らは周りに男の子がいなかったおかげで、やや男性的な部分があってやっぱり中性的なの。だから自分たちと同じものを感じ取って仲良くなれそうって近寄ってくるのよ。」
しかし、せっかく始まった僕のめちゃモテ人生。内心薄々感づいていることでもいざ眼前に突きつけられるとついつい見ない振りをしたくなるものだ。そんなある日、ギター部の後輩が
「女子大に先輩のファンクラブができてますよ」
なんて言いだした。そこへnr53がとどめの一言。
「観察日記つけられてるわね。」

何もそこまでにはっきり言わなくたっていいのに。やっぱそうだよなあ。僕がモテるはずないよなあ。確かにおかしいとは思ってたんだよ。でも、もう少しだけでいいから夢を見させていて欲しかった。