一年越しの読書

去年の夏か秋だったと思う。宮部みゆきの「模倣犯」を文庫で第1巻を買ったのは。始めの方を読んだところで他の本(確か京極夏彦だった)を読み始め、そのまま開くことがなかった。その後、研究室に置き去っていたため忘れられ、この夏に回収したときにようやくその存在を思い出したのである(宮部さんには大変失礼な話ではあるが)。

夏の間は村上春樹を読み続けて、フィクションはあらかた読んでしまい、ノンフィクションと翻訳ものは今は手を出さないことに決めてしまうと、ついに読む物がなくなってしまった。内田樹先生の本も共著のいくつかを除いてほとんど読んでしまったし、他は特に読みたい小説もない。というわけで残り4巻もあると気を重くしながら、改めて「模倣犯」を読むことにしたのだった。

読み始めてしばらくは、「話題になったわりには普通のミステリーだな〜」って思いながら読んでいたけど、第1巻の終わりごろから展開に急激にのめり込んでしまった。今や瞬く間に2、3、4巻を読み上げてしまい、第5巻の半ばを読んでいるところである。以前にeggerが「一気に読み上げた」と言っていた理由が大いにわかる。大変面白い小説である。まだ読んでない人はぜひ。