大阪へはゆっくり帰れ、そしてたっぷり本を買え

東京滞在4日目。今日のことだ。やるべきことは色々あるのでそろそろ大阪に戻らないといけない。楽しみにとっておいた「村上春樹にご用心」を読みながら帰ってくる。初っ端から、未読の翻訳物に触れてある。う〜む、面白い。翻訳物が読みたくなってきた。というわけで、東京駅の書店で何冊か購入。荷物が増えた。

内田先生のこの本が出ることを知らなかったら、僕は村上春樹を読まなかったかもしれない。今にして思えばそれは寒気がするほど恐ろしいことである。僕は村上春樹を読むごとに少しずつ元気になっていった。文化的雪かき仕事の大切さもわかる気がしてきた。僕は「ダンス ダンス ダンス」の羊男のセリフが好きだ。
「踊るんだよ。」羊男は言った。「音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ。云々〜」
というくだりの所である。同じく「ダンス ダンス ダンス」の<キキの夢>のキキの台詞
「あなたは自分の影法師をパートナーにして踊っていたのよ」
という部分も好きだ。なぜ好きなのかはよくわからない。自分のやってることもそういうことのような気がするからだと思う。「意味はない」のだ。かっこう。

大阪に着いたら、今度はジュンク堂書店に寄って、もう何冊か買い込んだ。ますます荷物が増えた。散財である。二度も書店に寄っていたので帰りが遅くなった。急ぐ旅ではない。ゆっくり歩いて帰ってくればいいのである。そしてたっぷり本を買った。明日からはまたいつもの生活。自分の影法師をパートナーにステップを踏み、自分ができる雪かき仕事を探す生活。定年で退職したら(まだ働き始めてもないけど)神戸に住みたいと前から思っていたけど、村上春樹の文学は僕のその思いを一層強くさせた。僕にとってのハーバーライトはやっぱりそこにある気がしてきた。それを受け継ぐ生活も悪くないと思い始めた。

村上春樹にご用心
村上春樹にご用心
posted with amazlet on 07.10.04
内田 樹
アルテスパブリッシング (2007/09/29)
売り上げランキング: 138