直らない癖

僕にはどうも昔から物を投げ置く癖がある。テレビのリモコンを投げ、脱いだ服を洗濯籠に投げ入れ、ベランダから布団をベッドまで投げ飛ばす。布団の如く捉え所のないものを如何にして投げ飛ばすのかは、その昔ハンマー投げで心得た極意によるものである。もちろん投げる前には確認を怠らない。壊れない場所へ、割れ物のないことを確認した後に投げるので、うっかり壊してしまったなどということはない。

そして、つい癖なものでベッドの上目掛けて本を投げ置く。これがいただけない。たまに先生と呼んで尊敬する人の本を投げ置いた日には本に向かって平謝りである。どうにかして直そうと試みるのだけど、長年の癖はなかなか抜けない。何とかして本だけは投げないように注意できないものであろうか。