ノーベル文学賞その2

ノーベル文学賞で思い出した。オルハン パムクが受賞したのは昨年度だっただろうか。OSTに勧められて「わたしの名は紅」を読んだけど、あれは大変面白かった。ミステリーなんだけど、ミステリーの枠を越えて一つの文学作品になっている。東西の文化の混ざり合うトルコという国における、西洋絵画の影響を受けた細密画師の葛藤が作品の主題の一つになっていて、それが彼等にとっては非常に切実な問題であったことが作品から伺える。また、章ごとに異なる視点から物語が描かれるという書き方も面白い。

先日は「雪」をこの間途中まで読んだけど、モチベーションが続かなくなって放り出してしまった。と言うよりも、「雪」よりも今読みたい本が山積みだったと言った方が正しい。いつかまた読むべきときがきたら読む。宮部みゆきの「模倣犯」みたいに。

わたしの名は「紅」
わたしの名は「紅」
posted with amazlet on 07.10.12
オルハン パムク Orhan Pamuk 和久井 路子
藤原書店 (2004/11)
売り上げランキング: 22389